岩瀬さん(中央)と牧場スタッフ
岩瀬牧場の豚達
■地域循環から⽣まれる⾃家製の飼料
現在主流の養豚は、飼料会社が製造した海外穀物を主原料とした「配合飼料」を与えますが、岩瀬牧場では地域の⾷品⼯場から出る残渣(ざんさ)を原料に、⾃分たちで⼿作りしています。原料をバーナーで加熱・撹拌し、酵素を混ぜて時間をかけて切り返し(空気とよく混ぜる)ながら、発酵させたもの(発酵飼料)を豚に与えます。時間と⼿間と技術が必要ですが、豚の健康を左右する飼料を他⼈任せにせず、⾃分たちで納得したものだけを与えます。通常は産業廃棄物となってしまう⾷品残渣を活⽤することで、年間600万トンと⾔われる「⾷品ロス」の削減にも微⼒ながら貢献し、地域での資源循環型の養豚を⽬指しています。
出来上がった飼料(発酵飼料)を⾷べて育った豚は腸内環境も良く、ほとんど下痢をしません。病気にもなりにくいので、⼀般的には予防や治療に使われるような投薬もほとんどありません。ただ、通常の養豚で⽤いられる配合飼料に⽐べると⽣育はゆっくりで、⼀般的には6ヶ⽉程度で出荷するところ、岩瀬牧場では8〜9ヶ⽉かけてじっくり育ててから出荷します。そのことは⾁質にも良い影響を与えているようです。